このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-74
 

もう、立てないよね。

立ちあがる力もなく
引きこもって、君のことを思いつづけると・・・
何も手につかない
もう、ダメかも

出(い)で立たむ
力(ちから)をなみと
隠(こも)り居(ゐ)て
君に恋(こ)ふるに
心どもなし
(大伴家持 巻十七の三九七二)

>>解説
家持が親友・大伴池主に贈った短歌。「更に贈る歌一首」(巻十七の三九六九)の第三短歌である。親友とはいえ、同性に贈った歌としては、異常にも見えるが、当時家持は越中に赴任しており、とにかく話し相手が欲しかったのであろう。
それを歌として表現すると、自然と恋歌になるのである。歌から、ホモ・セクシュアルを疑うのはナンセンス。人とは不思議な動物である。人に逢いたくて病気になるのだから。


 
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