このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-73
 

相手前に立つと、スゥーと消えそうになる感じ、あるよね。

一目見た人を
恋しく思う気持ちは・・・
空をかき曇らせて降り来る雪のように
消え入りそうに思われる

一目見(ひとめみ)し 
人に恋(こ)ふらく
天霧(あまぎ)らし
降り来(く)る雪の
消(け)ぬべく思ほゆ
(作者未詳 巻十の二三四〇)

>>解説
恋をすると、相手が偉大に見えることがある。そして、自分が微細に存在に思えてくる。それは、恋が憧れからはじまるかであろう。まして、一目ぼれならなお更のこと。それを喩えるのが、「天霧(あまぎ)らし 降り来(く)る雪」なのである。雪のようには、わたしの恋などはかなきものか、作者もそう思ったのであろう。


 
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