このページは、「小さな恋の万葉集」に発表した訳文をかかげたページです

恋歌-42
 

死んでもいえない名前がある、それは・・・

わたし・・・
あなたの名前は――
誰にも告げません、けっして
命捨てても、告げません!
だから、私のこともお忘れにならないで・・・

我(わ)が背子(せこ)が
その名告(の)らじと
たまきはる 命(いのち)は捨(す)てつ
忘(わす)れたまふな
(作者未詳 巻十一の二五三一)

>>解説
好きになった男の名前を、死んでもいえない事情があったのであろう。一つは、宗教上の理由、恋人の名前を口外するのは、当時宗教上のタブーとされていた。これなら、まだよいが、もっと深刻な事情があったのかもしれない。例えば、禁断の恋の果ての妊娠など。命をかけても、秘すべき理由があったのであろう。今となっては、それを知る手がかりはない。


 
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