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おんまは 槍持ち・・・

大和の祭りじまいといわれるおん祭。
大和の古い村落では、村の入り口に綱を掛ける神事を正月十五日におこなうところが多い。一般には、この行事のことはオツナカケとか、カンジョウガケと呼ばれている。二十年前、とある大和の村落を歩いていて、こんな話を聞いた。それは、掛けられた綱は、自然に切れてしまうのであるが、どんなに遅くまで残ったとしても、おん祭の時までには切れてしまうという伝承である。それは、おん祭の槍持ちの槍が綱を切るのだと説明されることが多い。なぜならば、槍持ちは大和の村を夜中にひそかに廻るのだと伝えられているからである。これは、神の巡幸伝承が断片化したものではなかろうか。このことを考え合わせると、わらべ歌で「おんまは 槍持ち・・・」と歌われる意味も再考してみたくなるのだか―。

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